なにか大きなミスをしたあとに、何度もそのことを考えた経験はありませんか。
サッカーでいうと、切り替えが大切だ。なんてよく言われたりしますよね。
ほかにも
- 人前で頭のなかが空っぽになってしまった経験。
- いつも通りのプレーができず、周りを落胆させてしまった経験。
- 当たりまえのことができなくて、なぜ と自問自答を繰り返した経験。
『どうしてこうやってしまったのか。』
この問いは一見、自分が成長するために必要な考えに思えますが、実際はまったく逆の効果があります。
反芻という負のスパイラル
反芻(はんすう)とは、自分はなぜ失敗したの?と繰り返し、同じ考えに自分を閉じ込めてしまう行為です。
うつ病の人は反芻が多いとわかっています。
反芻は前進していると錯覚させるので、そこから離脱できなくなることがあります。
反芻という負のループから抜け出す方法を解説します。
反芻から抜け出す方法
反芻という厄介な癖は、なかなか治らないものです。
しかし、不治の病ではありません。
考え方を変えることで、そこから抜け出すことができます。
4つのテクニックがあるので、それを紹介します。
1、考えることと悩むことは違う
反芻は考えているわけではなく、悩んでいるだけです。
反芻を繰り返す人は、”なぜ” と自分に問うことがあります。
”なぜ” と自問することは、自分の行動を変えることができません。自分の好きな結論に導いてしまうからです。
改善するには ”なに” と自問自答するクセをつけましょう。
<”なぜ” を使った時>
なぜあの時 シュートを決められなかったんだろう。
⇒そうか、体調が悪かったからだ。
⇒納得した。
ここで終わってしまいます。
<”なに” を使った時>
何をすればあのシュートを決められたのだろう。
⇒シュートコースがあまかった。体力がなくなってミスが増えてしまっていた。
⇒疲れたときのシュート練習を増やそう。
”なぜ” より ”なに” を使った時の方が具体的な改善策を見つけられます。また、”なぜ” は一見解決できたように自分にうそをついてしまうことがあります。
”なぜ?” は禁句だ。と考えましょう。
”なぜ” は人をネガティブにしますが、
”なに” は改善策を考える思考方法です。
2、自分が思うほど注目されていない
たいてい、自分のミスなんてほとんどの人が気にしていない。
覚えていないことがほとんどだ。と考える方法です。
実際に、人間は自意識過剰にできてて、対人関係を恐れるあまり逆に悪い面がでてきてしまうことがあります。それは近代社会の発展がひとつの原因です。無駄な心配をしすぎなので、自分を修正する必要があるでしょう。
3、失敗とは ”学ぶ機会” と考える
他人にどう思われるか気にするのではなく、常に学びなんだと捉えるようにする方法です。
相対性理論の考えを提唱したアインシュタインもこんな言葉を残しています。
間違いを犯した事の無い人というのは、何も新しいことをしていない人のことだ。
失敗を失敗のままにするのが問題なのであり、失敗は自分が成長するための出来事と捉えましょう。
これは2と同じく、”なに” で自分に質問を繰り返すことがポイントでもあります。
4、友人に相談し、客観的に意見をもらう。
友人・知人からのフィードバックは、
自分の考えていることとは全く違う視点で教えてくれるかもしれません。
自分のことは自分が一番知っている。そう思っていませんか??
実は、その考えは間違っていることがほとんどです。
固定観念を捨て、人の意見を受け入れることで変わることがある場合を知っておくと、今後大きなチャンスを逃さないかもしれません。
”なぜ” を使う時
これまでは、”なぜ” ではなく ”なに” を使うべきだと話してきました。確かに、自分がした過去の行動については ”なに” が重要です。
ただし、”なぜ”を使うことが有効なことがあります。
それは自分の外にある物事について考えるときです。
”なぜ” を考えることで、自分から物事を調べたいという好奇心が生まれるからです。
内的には ”なに” 外的には ”なぜ” で問いかける癖をつけましょう。